小千谷の織物

小千谷縮とは

人の手と雪がつくりだす「小千谷縮」の清涼感

小千谷縮は江戸時代初期、播麿明石藩士だった掘次郎将俊が、小千谷で盛んに織られていた越後麻布を改良し、サラサラとしたシボのある独特な風合いの麻縮を完成させたのが始まりです。
小千谷縮は縦糸と緯糸を一本一本ていねいに織り上げていくので、生地の仕上がりもしなやかで優しく柔らかな肌ざわりです。

小千谷縮帽子の写真
■ 「小千谷縮」は、通商産業大臣指定伝統的工芸品

通商産業大臣指定伝統的工芸品は、主として日常生活用に供され、その製造過程の主要部分が手工業的であり、伝統的技術または技法により伝統的に使用されてきた原材料を主として用い、一定の地域において多くの人の手によって製造される工芸品としています。そのほか厳しい審査に通ったものにだけ許される「伝統マーク」がついた伝統的工芸品は、まさに日本の一流品。確かなすばらしさで多くの人の心をとらえるものになっています。

■ 「小千谷縮」の製作技術は、国の重要無形文化財指定

重要無形文化財の小千谷縮は、糸づくりから反物になるまで手間の多さから、ふた冬越しの製作になることも珍しくありません。量産がむずかしいこの小千谷縮の技術者が年々少なくなり、昭和30年、製作技術を守るため文部省により国の重要無形文化財に指定されました。(下記の5項目が指定され技術保存がはかられています。)

  • 1. すべて苧麻を手うみした糸を使用すること。
  • 2. 絣模様をつける場合は手くびりによること。
  • 3. いざり機で織ること。
  • 4. シボとりをする場合は湯もみ、足ぶみによること。
  • 5. 哂しは雪哂しによること。
いざり機で織る様子
■ 「小千谷縮」は、重要無形文化財 伝統的工芸品

小千谷市における麻織物の歴史は古く、千数百年にもおよぶといわれ、将軍家への献上品として、贈られていました。

寛文年間に明石の藩士 堀次郎将俊によって、夏の衣料として改良され、緯糸に強い撚りをかけて織り上げ、仕上げの工程で涼感を出す小千谷縮独特のシボ(しわ)を出すことに成功し小千谷縮が誕生しました。

原料は苧麻からとる麻糸で、盛夏用の和装着尺として知られています。

雪さらしの風景

工程 -小千谷縮の伝統的な工程の一例-

01

糸つくり

小千谷縮独特のシボを出すために、麻の緯糸に強い撚りをかける。

■ 糸の原料
■ 苧績み
■ 撚糸
■ 綛つくり
■ 糸晒し
02

絣つくり

選び抜かれた絵模様に基づいて定規をつくる。染色は、緯糸に定規の耳を合わせながらすみ付けを行い、「すり込み」技法で模様付けを行う。

■ 定規
■ 絣つくり
■ 染色
03

織り

準備された経糸に、模様付けされた緯糸を1本1本柄を合わせながら、たんねんに織り上げていく。

■ 機ごしらい
■ 緯糸の管巻
■ 機織り
num4

仕上げ

木舟にぬるま湯を入れ、布を手でもみながらシボ出しを行う。
その後、雪で晒し風合いと光沢をだす。

■ 湯もみ

原料

最高級の布をつくる繊維麻 ラミーとリネン

麻の歴史は非常に古く、B.C10,000年にエジプトではすでに栽培され、麻布がつくられていました。
日本では、飛鳥朝・奈良時代に、特にラミー(苧麻)が衣料として愛用されていたことが日本書記などにも記されています。
現在では小千谷縮などの最高級着尺地から、カジュアル感覚の麻混織およびニット分野にいたるまで、広く愛用されています。
この麻の種類は約20万近くあり、衣料用としてはラミー(苧麻)とリネン(亜麻)が代表的。
家庭用品品質表示法においても、麻という統一文字を使用できるのは、ラミーとリネンに限ると明示されています。

ラミーとリネン画像
■ ラミーとリネンの特長と魅力

麻は天然素材の中でもっとも涼しい繊維といわれ、高温・多湿な季節に最適。そのさわやかな涼感と感触はほかの素材では味わうことができません。

麻は天然繊維の中でもっとも強力。水に濡れるとその強さを増す性質があり、耐久力にも優れています。

優雅な光沢としっとりした上品な個性ある風合いは、天然繊維だけが持つ優れた感触で、ファッション素材として幅広い分野でさわやかな表情を見せてくれます。

麻の汚れは、洗濯で簡単に落とすことができるので、肌着、ハンカチ、テーブルクロスなど清潔さが要求されるものにも最適です。

■ ラミー(苧麻)

ラミー(苧麻)繊維は、ラミー原草の茎の靭皮部(茎の木質部と表皮の間の部分)からとる靭皮繊維で、草丈は1~2.5mに伸びます。縮根性イラクサ科の草木で、白葉苧麻(葉の裏に毛が生えている)と緑葉苧麻(葉の裏に毛が生えていない)に分けられます。

ラミー(苧麻)画像
  • ・ 繊維は太く長い。
  • ・ 天然繊維中、最もシャリ感がある。
  • ・ 水分の吸収、発散性に優れている。
  • ・ 涼感があり、腰がある。
  • ・ 色は白く、絹様の光沢がある。
  • ・ 強力は、天然繊維中最も強い。
■ リネン(亜麻)

リネン繊維は、ラミー同様リネンの靭皮部からとります。
草丈は80cm位の一年生の亜麻科の草木であり、淡紫色の五弁の可憐な花が咲きます。

リネン(亜麻)画像
  • ・ 繊維は細く、短い。
  • ・ 風合いは、しなやかで綿に近い。
  • ・ 涼感は、ラミーに次ぐ。
  • ・ 水分の吸収、発散性はラミーに次ぐ。
  • ・ 色はリネン特有の黄味がかった色(亜麻色)がある。
  • ・ 白度・光沢はラミーに次ぐ。
  • ・ 強力はラミーに次ぐ。

小千谷紬

紬とは

糸を慈しむ、何人もの手で艶やかな布になる「小千谷紬」

小千谷縮の技法をいかして、江戸時代中期から織り始められた正絹紬で、古くから縞や絣、無地のほかに白紬が織られています。手紡ぎ糸から織り上げられる小千谷紬は、絹独特の光沢と手ざわりのよさに加え、素朴な味わいが見事に調和した織物です。

小千谷紬は縮布の伝統技術を受け継いだ先染織物で、緯全部に絣糸を使って絣を織りだす「緯総絣」のような奥ゆかしい雅致に富む紬をはじめ、真綿手紡糸独特の風合いをだす伝統の技と、新しい感覚、デザインの融合した紬として高い評価を受けています。

■ 「小千谷紬」は通商産業大臣指定伝統的工芸品

小千谷紬は昭和50年(1975年)「伝統的工芸品」として通産省の指定を受けました。
通商産業大臣指定伝統的工芸品は、主として日常生活用に供され、その製造過程の主要部分が手工業的であり、伝統的技術または技法により伝統的に使用されてきた原材料を主として用い、一定の地域において多くの人の手によって製造される工芸品としています。
そのほか厳しい審査に通ったものにだけ許される「伝統マーク」がついた伝統的工芸品は、まさに日本の一流品。確かなすばらしさで多くの人の心をとらえるものになっています。

小千谷紬の製造工程は、古い伝統技術が受け継がれた特色があります。

  • 1.経糸は真綿の手紡糸または玉糸、緯糸は真綿の手紡糸を使う。
  • 2.絣糸は緯糸に使う場合と、緯糸および経糸に使う場合がある。いずれも染色は「手括り」および「手すり込み」が用いられる。
  • 3.柄模様に基づいて防染個所に印をつけるには、経糸は「経定規」、 緯糸は「木羽定規」を用いる。
  • 4.機織りは、緯糸を一本一本耳部を合わせ、柄合わせをして織る。
■ 小千谷市指定文化財 絣技術 伝統的工芸品

小千谷縮の技術を活かして、江戸時代中期に織り始められた正絹紬で、古くから縞や絣、無地の他に白紬が織られています。

原料は玉糸と真綿の手紡ぎ糸で、絹独特の光沢と手ざわりの良さに加え、着べりのしない実用性もそなえた和装着尺地で、気軽な外出着、家庭でのおしゃれ着として広く愛好されています。

工程 -小千谷紬の伝統的な工程の一例-

01

糸つくり

真綿を指先でていねいに引き出しながら、極細の最高級糸にする。

■ 糸の原料
■ 真綿の手引き
■ 撚糸
■ 精練
■ 糸繰り
■ 経のべ
02

絣つくり

選び抜かれた絵模様に基づいて定規をつくる。染色は、緯糸に定規の耳を合わせながらすみ付けを行い、「すり込み」技法で模様付けを行う。

■ 定規
■ 絣つくり
■ 染色
03

織り

準備された経糸に、模様付けされた緯糸を1本1本柄を合わせながら、たんねんに織り上げていく。

■ 機ごしらい
■ 緯糸の管巻
■ 機織り
04

仕上げ

木舟にぬるま湯を入れ、反物についた余分なのりを落とし、乾燥後砧打ちをして、真綿本来の風合いを出す。

■ 木舟

片貝木綿

越後伝承正藍染

宝暦元年に、越後の国浅原の荘園片貝(現在の小千谷市片貝)で、松井仁助が藍染を始めたといわれています。

そのころ、信濃川の流域では綿花が盛んに栽培され収穫された木綿に藍染する紺屋が多くありました。雪深い越後は本来藍染には適さず、この負の自然条件を克服し、独特の染色法を生み出して完成させたのが越後正藍染です。

天然藍の中でも黒ずんだ力強い藍の色に特徴があり全国で珍重されています。

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